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安倍晴明ゆかりのパワースポットは「暦」のふるさと。天社土御門神道本庁を訪ねて

公開日:2024.01.26 / 更新日:2024.01.31

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安倍晴明ゆかりのパワースポットは「暦」のふるさと。天社土御門神道本庁を訪ねて

福井県おおい町名田庄(なたしょう)。敦賀から車で1時間の静かな里山に静かにたたずむのが、天社土御門神道本庁(てんしゃつちみかどほんちょう)です。ここは、陰陽師(おんみょうじ)安倍晴明にちなんだパワースポット。さらに大安吉日や厄年などを示す「暦」をつくる場所でもあるのです。晴明ゆかりの地でどんなパワーがもらえるのか、「暦」との関わりなどについて、天社土御門神道本庁の庁長にお聞きしました。

まずは名田庄と安倍晴明の関わりを知ろう

天社土御門神道本庁の境内を散策する20代女子二人

名田庄の里山にたたずむ天社土御門神道本庁

安倍晴明に因んだパワースポットといえば、安倍晴明神社を筆頭に、その多くは京都にありますよね。そもそも安倍晴明は京都で何をしていた人なのでしょうか。

「安倍晴明」は特別な霊力を持っていたの?

安倍晴明は、平安時代の文学『今昔物語』に登場し、霊的な能力を持つ人物として描かれています。現代でも彼を主人公とした小説や野村萬斎主演の映画『陰陽師』で、広く「陰陽師」という存在が知られたのではないでしょうか。(庁長)

それらの作品で、安倍晴明は「除霊をする人」というイメージですが、実際の陰陽師の姿とは少しかけ離れていますね。

「陰陽師(おんみょうじ)」って本当は何をする人?

平安時代、天文学と暦をつかって運勢を導き出し、天皇に対していろいろなことをアドバイスする「陰陽寮(おんみょうりょう)」という役所がありました。そこの職員が「陰陽師」。いわば国家公務員ですね。

安倍晴明も実在の人物で、平安時代中期に陰陽寮で働いていました。おそらく突出した能力があったんでしょう。それで語り継がれるようになったんだと思います。 (庁長)

「安倍家」と「土御門家」とはどんな関係があるの?

安倍晴明の子孫も代々陰陽頭を務めました。やがて14世紀、花園天皇から安倍家の本家に「土御門家」の称号(すぐれたものとしての呼び名)を賜ります。以来、安倍家の本家は土御門家として今に続いているということです。

若狭名田庄(なたしょう)はそのとき、「泰山府君(たいざんふくん)大神を祀るように」と天皇から拝領した領地です。泰山府君大神は、陰陽道にとっての主祭神。安倍晴明はとりわけ泰山府君大神をあつく信仰していたといいます。(庁長)

主祭神「泰山府君」は何を祈願する神様?

天社土御門神道本庁の泰山府君社をお参りする20代女子二人

泰山府君社

泰山府君大神(太一信仰;たいいつしんこう)は、宇宙の根源(太一)から陰と陽が生まれ、そこから派生した森羅万象を司る、陰陽和合・調律の神様です。わかりやすく言うと、動植物の生命・運命を司り、天災や事故によって受けるわざわいを除き、福禄寿※を授け賜うといわれています。 (庁長)

※福(幸福)、禄(財)、寿(長命)
すべての動植物の運命を掌握する神様とは、すごいですね! 明治維新までは、天皇や将軍が在位に就くときに国家安寧をご祈願して、泰山府君祭をしていたというのもうなずけます。

泰山府君大神を篤く信仰していた安倍晴明は、屋敷(現在の晴明神社)内に社殿を建てましたが、応仁の乱で社殿が焼失します。以来、戦火を逃れた御神璽(おみたま)は、土御門家が代々と守り続け、天和二年(1682年)には霊元天皇から「天社宮」の称号を賜りました。(庁長)

天社土御門神道本庁本殿

天社土御門神道本庁 本殿

泰山府君大神を祀るのを許されたのが土御門家だけであることから、日本一社といわれているそう。さらにここは「暦のふるさと」ともいわれています。

すべての「暦」は名田庄に通じている!?

天社土御門神道本庁の土御門文書編纂所が編纂している運勢暦
結婚や結納など大切な行事の吉日選びに、厄年、恵方、節句や七五三、運勢占い……。私たちの暮らしに深く根付いているのが「暦」ですよね。日本の多くの神社さんやお寺さんで使われているのが「安倍晴明暦」で、ここ名田庄でつくられているのだとか。

京都の晴明神社をはじめ、伏見稲荷大社や春日大社、三嶋大社、鞍馬寺、三十三間堂、平安神宮など、日本の多くの社寺では毎年「暦」を出しています。表紙や体裁はそれぞれ異なりますが、暦や運勢は、ここ天社土御門神道本庁の土御門文書編纂所(へんさんじょ※)で作成されたものです。(庁長)

※文書の研究と編集・出版を目的とするところ
安倍家(土御門家)は平安時代から、ずっと日本の暦作りに携わってきましたが、明治期に政府が西洋暦を採用したときに一旦お役目を返上しました。しかし、その後も保存されている古文書や先代から続く口伝を引き継ぎ、第二次世界大戦終戦から毎年、暦を全国の社寺様へ作ってきたのです。

「運勢暦」はどのように読めばいいの?

運勢というのは、あくまで指標の一つ。私たちの使命はいくつかの道を示して差し上げることです。だから、私たちは運勢暦を書くにしても、ご祈祷するときにしても、あまり強く「ああしなさい、こうしなさい」とは言いません。運勢暦を参考にしながら、皆さんは自分で人生を切り開いていってほしいと願っています。(庁長)

木漏れ日が降り注ぐ天社土御門神道本庁の境内でお参りする二十代女子二人
やっぱり最後は自分で決める! やさしく背中を押してくれるのが「運勢」なんですね。

歴史ある境内にはパワースポットが!

天社宮では立春に「星祭り」が、8月1日に「名越の祓・八朔祭(なごしのはらえ・はっさくさい)」が行われます。いずれも半年間の罪穢れを清め祓い、無病息災を祈念し、心新たに生活するための「大祓い」です。
名越の祓・八朔祭が行われる「天壇」は、境内随一のパワースポットなのだとか!

四神獣が囲む神聖な「天壇」

名越の祓・八朔祭が行われる「天壇」
天の東西南北を司る四神獣(朱雀・青龍・白虎・玄武)を表す、四色の鳥居。結界のように四方を囲む場所は、神聖さを醸し出しています。庁長も「決して足を踏み入れないでください」とおっしゃっていたので、皆さんも訪れたときは気をつけましょう。

「茅の輪くぐり」で無病息災を祈願!

茅の輪をくぐる20代女子二人
天壇の近くの鳥居には、名越ノ祓に行われる神事の「茅の輪」が設けられています。災いや厄を除き、幸福を招くように願いを込めて茅の輪をくぐります。

ここでしか授かれないお守りからもパワーを

向い柄斗一生の御守

向い柄斗(むかいえと)一生の御守

泰山府君大神の御神徳が込められたお札やお守りを身につけて、お力を分けていただくのもおすすめ。お守りに描かれた、五点を頂点とする「五芒星(ごぼうせい)」の形は、陰陽道の五行信仰・五行思想(いわゆる陰陽五行=火・木・土・金・水)を表しています。

自分の干支の運勢が悪いときには、相対する干支(向い側)の運勢が良くなります。「向い柄斗(むかいえと)一生の御守」は、自分の干支の運気が下がったときに、向かい側の干支に守ってもらおうというものです。(庁長)

少し旅程をのばしてでも行きたい!ココロのリセットができるかも

青空にそよぐ五色の吹き流し

陰陽道の五行に基づく五色の吹き流し

雛祭りも端午の節句も、もともとは「お祓い」の儀式。曜日の名前や惑星の名前、干支や厄年まで、日常生活の中には陰陽五行思想があります。日本人はそうやって、神様や仏様、自然と関わってきたんですね。
私たちの暮らしに静かに寄り添ってくれる陰陽道。ちょっと日常を離れて、心を清らかにしたい。そんなとき、名田庄の里に行ってみてはいかがでしょうか。

陰陽道宗家 天社土御門神道 天社宮

住所 福井県おおい町名田庄納田終129-9
交通アクセス 舞鶴若狭自動車道 小浜ICから車で約40分
参拝時間 9:00~16:00
※不定休のため相談の際は要予約。外の見学は自由
お問い合わせフォーム https://onmyodo.jp/tensha/contact/
URL https://onmyodo.jp/
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