自然とつながるウェルネス旅を。青葉山ハーバルビレッジで薬膳茶づくり体験

公開日:2024.03.29 / 更新日:2024.03.29

アクティビティ
自然とつながるウェルネス旅を。青葉山ハーバルビレッジで薬膳茶づくり体験

敦賀駅から高速道路で約1時間。青葉山の麓に、青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」があります。ここはアクティビティや食を通じて、心と体の健康を見つめ直せる施設。ハーブを使った薬膳茶づくりや絶品薬膳カレーが楽しめます。自然の中で思い切り深呼吸をしながら、ハーブに親しんでみませんか?

今回お話を伺ったのは……

画像
画像テキスト
青葉山麓研究所長 松宮史和さん
テキスト
合同会社エムアンドエヌ代表社員としてイノシシやシカ・クマなどの獣害に対応する傍ら、高齢化が進む地域農業振興の一環として薬草栽培に取り組み、2023年2月に所長に就任。学校教師の経験も持つ。

圧倒的な開放感! 体の内と外から健康になれる場所

青葉山ハーバルビレッジの芝生の広場
福井県大飯郡高浜町と京都府舞鶴市にまたがり、関西百名山に選定されている青葉山。標高693mの独立峰です。福井県側のビーチから海越しに臨むと、左右対称の円錐形に見える美しい山容は「若狭富士」と呼ばれています。

古代から神々の棲む神秘の山として崇められ、パワースポットも点在。その青葉山の高浜町側の登山道入り口にあるのが、青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」です。

青葉山のめぐみ「ハーブ」を生かす

青葉山ハーバルビレッジで育つハーブ
以前ここには「青少年旅行村」という、学生や児童の修学旅行などを受け入れる教育施設がありました。それがなぜ、青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」に?

青葉山を調査したところ、生薬の原料などになる有用植物が、373種類も自生していることがわかったんです。それがきっかけで、薬草栽培に適した青葉山周辺の環境を生かし、青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」として2016年にリニューアルオープンしました。(松宮さん)

ハーブによる健康増進も含め「体の内側からも外側からも元気に」という、総合的な“健康”がコンセプトだそうです。

自分好みの薬膳茶づくりにトライ!

薬膳茶の説明をする東さんと説明を聞く20代女性
青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」のビジターセンターでは、自分の体調や好みに合わせた薬膳茶づくりを体験できます。選べる薬膳茶は「美」「健」「圧」の3タイプ。今回は地域おこし協力隊の東さんに教えていただきました。
  • 美:美肌・デトックスが気になる方に
  • 健:生活習慣病が気になる方に
  • 圧:血圧が気になる方に
今回選んだ薬膳茶は「美」!

「美」では、ドクダミ・カワラケツメイ・シソ・クコ葉・ハトムギ・エビスグサの6種類のハーブを調合します。エビスグサとハトムギは、味を飲みやすくするためのベースとなるハーブ。シソにはお腹の調子を整える作用もあります。(東さん)

薬研(やげん)で挽くと、いい香りが立ちのぼる

テーブルの上には、薬草をすりつぶす薬研(やげん)と薬研車(やげんぐるま)がスタンバイ。まず薬研にハトムギの種を入れ、薬研車でゴリゴリと挽きます。
薬研車(やげんぐるま)で薬草をすり潰している様子

薬研のカーブに合わせるようにして、左側、右側、と薬研車を動かすとうまくいきますよ。(東さん)

次にエビスグサ。草の場合は、成分を抽出するために葉に傷をつける、という程度の挽き方がいいそうです。挽くたびにいい香りが立ちのぼります。
すり潰した薬草を薬包紙に収める様子
体験教室では、6種類のうち4種類はすでに挽いてあるものが用意されています。ぜんぶ混ぜたら2つの茶袋に分けて入れ、最後に大きな薬包紙(やくほうし)の中に収めます。薬包紙とは、文字通り薬を包む紙。中身がこぼれにくく、同時にすぐに開けやすい、特殊な折り方を教えてくれます。
完成した薬膳茶を手にして笑顔の20代女性
――薬膳茶づくりを体験した感想は?

「あっという間の30分!強めに挽かないとなかなか潰れなくて、薬研から種が飛び出てしまうこともありました(笑)。挽いているそばからふんわりハーブの香りに包まれていたので、家に持ち帰って飲むのが楽しみです!」

薬膳茶づくり体験はその場で申し込むこともできますが、説明者が不在のときもあるそう。事前の問合せがおすすめです。

陽光降り注ぐカフェで薬膳茶をいただく

陽光が差し込む青葉山ハーバルカフェの内観
青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」の建物は「自然に調和する建物を」と、木材をふんだんに使用しています。カフェには大きな窓から日差しがすみずみまで差し込み、暖かさにほっこり。喧噪とは無縁の空間でくつろげば、運転の疲れも癒やされます。
青葉山ハーバルビレッジのカフェで販売されている薬膳茶4種
カフェでは 5種類の薬膳茶「美」「健」「圧」「肝」「抗」を提供。このほか薬膳カレーやハーバルパンケーキもいただけます。

薬膳カレーを食べたら体の芯からポカポカに

青葉山ハーバルカフェの薬膳カレー
薬膳カレーはグリーンカレーをベースに、ヤマトトウキ ・ミシマサイコ・シソなど高浜町産のハーブを5種類とスパイスを調合。奥深い味わいなのに食べやすく、ジワジワと辛さがやってきます。

ヤマトトウキ は、その根が婦人系の病気に薬効があるとか。薬膳カレーには地上部の葉や茎を調合しています。ミシマサイコには肝機能の向上や美肌への働きが期待できるそうですよ。
薬膳カレーを食べて体がポカポカしてきた様子の20代女性

「なんだか体がポカポカしてきたかも!」

海も山もある高浜町だから、いろいろなハーブが育つ

海も山もある高浜町の俯瞰画像
――高浜町の環境はさまざまなハーブの栽培に適していて、これを起爆剤にさまざまな形での地域おこしが進められているそうですね。

有用植物を栽培し、まずは効用が高く医薬品の原料となる根の部分を使って、生薬向けの産業を起こすことを第一としました。

地元で栽培した原料を地元で加工し、安定的に出荷していく。その過程で、生薬としては使えなくても効能のある部分を、ハーブとして二次的に商品化し、青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」のように薬膳茶や薬膳カレーに利活用する。

さらに観光にも寄与できれば、地域がもっと活性化していくと考えました。他の分野との連携できるオプション能力、発展性があり、周囲からの期待値も高いです。

「修治(しゅうち)」といって、収穫したものを生薬問屋に卸す前に、洗ったり乾かしたりする作業も請け負って、地元の仕事創生につなげています。(松宮さん)

高浜町産のハーブ3種
――青葉山の調査で、有用植物が自生していることがわかったとはいえ、すぐに産業に結びついたわけではなかったと聞きます。

植物の種類によって、よく育つ環境が異なるんです。高浜町の気候は基本的には薬草栽培に適しているんですが、その中でも、湿気の多い山の土を好むものもあれば、海の近くの砂地だとよく成長するものもある。

青葉山麓研究所は高浜町と連携して、試験的な栽培を繰り返しましたが、それを見極めるのに何年もかかりました。失敗もたくさんして、令和2年くらいから、ようやく栽培方法が確立され、地理的条件に合っている薬草をメインに栽培しています。

高浜町には海も山もあるので、多種多様な薬草を栽培することができる。これは強みですね。こうした栽培方法をマニュアル化・データ化し、どんどん生産者を増やしていこうと思っています。(松宮さん)

インドア派もアウトドア派も、自分の楽しみ方が見つかる

青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」は、ハーブだけに特化した施設ではありません。芝生の広場では音楽会や地元生産者のマルシェ、気功など、さまざまなイベントを開催しています。
キャンプサイトではデイキャンプやバーベキュー、テント泊も可能。トイレはもちろん荒天時に避難する場所も整備されているので、キャンプ初心者にも安心です。

大切にしているのは、地域の人に愛される場所になること。青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」を、老若男女の別なく集うにぎわい空間として、これからもたくさんの方に訪れていただきたいです。(松宮さん)

青葉山を臨む高浜町は海も近く、山と海を1日で堪能できる町。海越しに見る青葉山も絶景です。ハーブと自然を満喫しながら、心と体の健康を見つめる旅をしてみませんか?
住所 福井県大飯郡高浜町中山2-4
営業時間 10:00~17:00
定休日 水曜日
駐車場台数 44台(駐車場は8:30~利用可)
交通アクセス JR小浜線青郷駅から徒歩40分
舞鶴若狭自動車道 大飯高浜ICから車で25分
料金 【薬膳茶づくり体験】
1,000円
お問い合わせ先 青葉山健康長寿の里「ハーバルビレッジ」
TEL:0770-50-9012
FAX:0770-50-9013
URL https://www.instagram.com/aobayama_herbalvillage/
TOPへ