今回お話を伺ったのは……
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- 山本宗弘さん
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- 長年地元にお住まいで、毎年「せんべい焼き」の準備・運営を担う世話方のお一人です。
約380年続いている「せんべい焼き」とは?
天満神社
天満神社内にある恵美須神社
天満神社も少し歩けばすぐ海で、昭和の初めくらいまでは、神社の境内に網を掛けて干したり、修理したりしていたそうです。こうしたご縁から、地元の神様としてえびす様が境内の中に祀られたのではないかと思います。(山本さん)
「せんべい」を焼くのは、御祈祷木を“焼納”したかがり火
祈祷木には名前、住まい、年齢を書きます。願い事を書くところはありませんが、みなさん気持ちを込めて書かれますね。そのご祈祷木を焼納する事により、災いや悪霊を祓っています。昔は祈祷木だけでなく、家々の神札や守り札も燃やしていました。(山本さん)
竹で挟んであるところは焼けにくいので、少しずつ場所をずらして焼くのがコツです。(山本さん)
青竹の先にせんべいを挟んで焼く
私が子どものころは雪がよく降って、寒い中を長靴で出かけたものです。親から「せんべい焼きに行っておいで、火にあたると風邪ひかないよ」と声かけられて。赤いほっぺで火に当たって、みかんをさして焼く人もいました。(山本さん)
せんべいを挟む細くて長い「青竹」は3メートル!
竹林を所有している氏子さんが提供してくれます。かがり火を焚くときの丸太も、やはり提供してくださる方がいらっしゃいます。各人、えびす様への奉仕の心で自分のできることをして、この祭は成り立っています。(山本さん)
なぜ「おせんべい」を焼くの?
今でこそいつでも食べられるお餅ですが、私のような団塊の世代は、まだまだ「正月にお餅を食べられるようにがんばろう」と言っていた世代です。お餅はお祝いのときにしか食べない特別な食べ物でした。(山本さん)
「お餅を薄く切り分けた」というのが由来なので、米粉であることが重要だそう。どの種類もほんのり塩味がついています。直径8センチ、厚さは2ミリほどですが、焼くと倍くらいの大きさに!
トースターや電子レンジで90秒くらい焼いてもおいしいので、残ったものを持ち帰り、家で召し上がる方も多いですよ。(山本さん)
「11月20日」にしかやらない理由
このあたりでえびす講といえば、11月20日。えびす様のお祭りですから、この日でないと意味がないんです。だから「せんべい焼き」も必ず11月20日に行うと決まっていて、天候によって延期することはありません。基本的には雨が降っても雪が降ってもこの日に行います。(山本さん)
それでも多くの人が神社を訪れ、「御神饌」であるおせんべいを買い、あるいは祈祷木に名前を書いて納めていきました。このお祭りが、地域の生活の中に溶け込んでいる証ですね。
地域を一つにする温かいお祭りよ、いつまでも!
いつも会えない懐かしい顔と再会できるんですよ。他の地域に住んでいる家族にも「せんべい焼きのときには戻っておいで」と声をかけるきっかけになります。人と人をつなぐこの祭りを、子どもや孫の世代に残していきたいと思っています。(山本さん)
天満神社(境内内 恵美寿神社)
住所 | 福井県敦賀市栄新町1-6 |
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交通アクセス | 北陸自動車道 敦賀ICから車で約10分 JR敦賀駅より 「ぐるっと敦賀周遊バス」で約8分「金崎宮」停留所下車 徒歩5分
JR敦賀駅より タクシーで約8分
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お問い合わせ先 | 敦賀観光協会 電話0770-22-8167
敦賀観光案内所 電話0770-21-8686
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